その先に目指すもの 変革の一〇〇年と、
Message
株式会社アクセは、2025年で100周年。
広島県・尾道、創業の地で社長にこれまでの挑戦と、新たな取り組みについて語ってもらいました。
時代を捉えて変化した、
挑戦の100年
穏やかな瀬戸内海、情緒ある街並みや坂道に心癒される広島県尾道市。
株式会社アクセは、ここで1925年に「髙垣大安店」として創業しました。既製服がない時代、肌着を中心とした展開でした。1947年には服地販売と仕立てを行うテイラーの会社「髙垣洋装店」を設立。1957年には、既製服の婦人服、紳士服などを扱う総合衣料店「尾道まるべに」へと業態を変えました。ところが二代目となるべき父が若くして亡くなり、同時期に大規模ショッピングセンターが郊外に登場し、尾道の商店街全体が壊滅的な打撃を受けたのです。
「なんとかしなければ!」という切迫した中、1992年、会長の髙垣圭一朗がセレクトショップ「パリゴ尾道店」を作りました。コンセプトは “エイジレス” な高感度ファッション。会長がパリで見た80代の素敵なマダムのように、年齢を重ねるほどにおしゃれが磨かれる女性が日本で増えてほしいという思いがこめられています。新しい業態に取り組んだとはいえ、街の中心から1.2km離れた商店街の端という立地。私が入社した1996年当時も厳しい状況でした。顧客データを精査すると、お客様の約50%が隣の福山市から、20%が広島市や岡山市からわざわざ来店、しかも業界のプロなど高感度な方が多いことがわかり、マーケティングのノウハウを駆使して挑戦を続け、成長軌道に乗せることが出来ました。2003年に自社のファッションビル「アクセ広島」を開業。東京進出を考えはじめた2008年、一等地でのオペレーションを学ぶため岡山の駅ビルに出店することを決め、2009年の出店時には激戦地でも戦えるという手応えを得ました。
現在は麻布台ヒルズやGINZA SIXなど東京・広島・岡山・松山の店舗とオンラインストアで展開しています。
History アクセの歩み
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1925
「髙垣大安店」
として、創業衣料品雑貨小売商「髙垣大安店」として、髙垣繁太郎により創業
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1947
「有限会社髙垣洋装店」
会社設立服地販売とお仕立を中心として事業拡大
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1957
「尾道まるべに」開業
婦人服・紳士服・ランジェリー・肌着・呉服・和装・寝具・贈答品等小売販売
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1992
アクセ尾道・パリゴ尾道店 開業
セレクトショップ「パリゴ」の展開スタート 2012年リニューアルオープン
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1997
パリゴ福山店 開業
2011年 メンズ・レディース複合の大型店に移転増床
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2003
アクセ広島・パリゴ広島店 開業
2005年 パリゴ広島店1.5倍の規模に増床。2009年 パリゴ広島店メンズフロア開業。2012年 リニューアルオープン。
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2009
パリゴ岡山店 開業
初の県外出店へ。2013年 1.5倍増床、全面リニューアル
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2011
初の東京進出
ワールドビジネスサテライトやめざましテレビに特集を組まれるなど、26のテレビ番組で紹介。
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2015
パリゴ松山店 開業
メンズ・レディース複合の県外初出店
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2015
アクセ東京支社を南青山に設立
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2017
パリゴGINZA SIX店 開業
GINZA SIXに東京の旗艦店として開業。
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2023
GINZA SIXにJAPAN DENIM旗艦店 開業
三備地域の技術力とアクセが持つデザイナーネットワークを融合し、最新デニムコレクションを展開するプロジェクト
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2023
Le GRAND CLOSET de PARIGOT 麻布台ヒルズ店 開業
麻布台ヒルズに、パリゴの新業態"ル グランド クローゼット ドゥ パリゴ" を開業
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2024
Le GRAND CLOSET de PARIGOT / MAN GINZA SIX店 開業
首都圏初のメンズ新業態「ル グランド クローゼット ドゥ パリゴ / マン」を東京のGINZA SIXに開業
株式会社アクセは、
「人」が財産の会社です。
私たちの企業理念は、お客様の喜びを最大化することにあります。そのためには、お客様に寄り添いながら、期待を上回る価値とは何かを掘り下げ、確信が持てるまで考え抜くことが重要です。考える中心となるのは「人」。その大切さを学んだのは前職。日本を代表する飲料メーカーで、ウイスキーや発泡酒など、ゼロから新しいものを生み出している会社です。企業=人という理念を貫き、新入社員の私に大きなプロジェクトを任せる大胆な社風もありました。株式会社アクセに入社した当時、会社が瀕死の状態で何から変えるべきかと考えた時に、前職が「人」を大切にしたことを思い出し、入社翌年の1997年から正社員で運営していく方向に舵を切りました。正社員として採用し、教育と実践実習を重ねることでしっかりとした会社の考え方を根付かせ、企業文化を作ることが重要だと考えたからです。
それから25年。さらなる企業理念の浸透を目指して可視化し共有するためのハンドブックを作成しました。すごいレベル!と自負できるものです。また、上司との面談制度に加えて、部下が主体となってコミュニケーションを図る1on1ミーティングも実施。個人の主体性や創造性を高めるメソッドの活用にも積極的です。
私たちは、ファッションとクリエイティブを通じて
お客様の幸せを追求し、心から喜んで頂ける「価値」を
「創造」し続ける会社を目指します。
心から喜んで頂ける「価値」を「創造」するためには、世界的な視野で得られた情報・知識・感性を基に、日本の伝統や地域の文化を大切にしながら、お客様に心から喜んで頂くことのできる商材を選択し、また開発し、最適な空間で、最高の接客サービスやホスピタリティを提供することで、お客様のライフスタイルにより大きな「価値」を提供することが必要と考えます。
そのためには、常にお客様の気持ちに寄り添い、お客様の幸せを追求するというお客様視点を大切にしながら、その期待を上回る「価値」とは何かを徹底的に掘り下げ、確信が持てるまで考え抜く事のできる企業風土も重要です。
そんな企業風土は、楽しくいきいきと自らの想いを発言し、またお客様に「満足」を超えて「感動」して頂きたいという、社員による「情熱と情熱の融合」によってのみもたらされます。
そういった「本質的な価値」は、時代により変化していきますが、それをいち早く察知して新しい価値を生み出す柔軟性も兼ね備えなくてはなりません。
私たちは、流行に敏感で鮮明に時代を捉え、互いに尊敬しあえる人間的で魅力ある社員を中心として、お客様に、心から喜んで頂ける「価値」を「創造」し続ける会社を目指します。
結果として、お客様はもちろん、従業員やその家族、お取引先様、地域社会の皆様の幸せに貢献する企業として日々発展を続けたいと思います。
Philosophy 企業理念
これからの夢の提示
日本発、ワールドクラスのデスティネーションストアを創造します
2025年に100周年を迎える当社は、数年前から「100年企業として今後どう成長していくのか?」という課題に対し、様々な検討を重ねて参りました。中心事業となるセレクトショップ「PARIGOT」(パリゴ)も開業から32年が経過し、次なる成長戦略を描く時期に差し掛かっていました。 次の100年を見据えて、これからは、「パリゴの未来形」となるような、より高いレベルの業態開発を目指すべきではないかと考えるようになりました。 つまり、「ヒト」「モノ」「ウツワ」を日本トップクラスに極め、世界からでもわざわざ来たくなる、「ワールドクラスのデスティネーションストア」を創るということです。 その想いを実現するため、2023年11月「Le GRAND CLOSET de PARIGOT 」(ル グランド クローゼット ドゥ パリゴ)を麻布台ヒルズに開業しました。 「モノ」の面では、「メゾンマルジェラ」「クロエ」「ルメール」「マルニ」という世界的なハイブランドをはじめとした、都内でも希少なセレクトを実現しました。 「ウツワ」の面では、インテリアデザインにWonderwall(R)片山正通氏を起用する等、日本を代表するプロフェッショナルにご参加頂き、他に類を見ないスペシャリティストアが誕生しました。 そして2024年4月に、首都圏初のメンズ新業態「Le GRAND CLOSET de PARIGOT / MAN」が東京のGINZA SIXに開業しました。麻布台同様、スペシャルな商品セレクトと日本を代表するチームで臨んでおり、本当の意味で「パリゴの未来形」を示すことが出来る取組みです。 創業から100年の想いを込めた“ワールドクラスのデスティネーションストア”を創造できるよう、社員一丸となって取組んでいくと共に、このビジョンを実現すべく、共に未来を創り上げる大切なパートナーを私達は求めています。
第2の柱「JAPAN DENIM」の更なる魅力を発信していきます
デニムは、みなさんにとって、私たちが扱うアイテムの中で最も身近な存在かも知れません。本社のある広島県尾道市からデニムの聖地と言われる広島県福山市や岡山県井原市までは車で約30~40分の距離。物づくりのレベルが高く世界に類を見ない高級デニムが作られている地域ですが、同時に後継者不足が課題にもなっていました。この価値を未来へと繋ぐために私たちにできることはないかと、セレクトショップで培ったノウハウを生かして、クリエーターと繋いで立ち上げたのが「JAPAN DENIM」です 。CSR(Corporate Social Responsibility)社会貢献だけではなく、持続可能性を高めるためにCSV(Creating Shared Value)共通価値の創造を目指し、私たちの事業の第2の柱と位置付けて全社で取り組んでいます。2023年3月には「GINZA SIX」に旗艦店をオープン。産地では、できるだけ環境に負荷をかけない物づくりを推進すると同時に最新技術の開発にも協力。クリエーターとも知恵を出し合いさらなるデニムファッションの魅力を発信していきたいと考えています。
Ceo Profile / 代表取締役社長 髙垣孝久
1969年 尾道市生まれ
1991年 早稲田大学 商学部 卒
在学中ヨーロッパ・北米の14カ国38都市を廻り見聞を広める
1991年よりサントリー株式会社入社
JR・ホテル・Jリーグ、全国系コンビニチェーン本部等で営業・マーケティングを担当
1996年より株式会社アクセ勤務
経営戦略・マーケティング・人事・DX・店舗開発など担当
尾道商工会議所 常議員 商業委員長
広島経済同友会 尾道支部 副支部長
尾道本通り商店街連合会 会長
尾道市 景観審議委員会 委員
尾道市立大学法人評価委員会 委員
尾道市立大学 芸術文化学部 美術学科 デザインコース 地域活性化企画 実行委員長
尾道ロータリークラブ 2023-2024年度 幹事