伝えること 繋がること、
Staff’s
story02
セレクトショップの事業で、花形とも
言えるバイヤー。
デザイナーとお客様の間を繋ぎ、
価値を生み出すための秘訣は、人間力に
あります。
「パリゴ」のバイイングは、
すべてお客様に喜ばれるために。
セレクトショップの事業で、
花形とも言えるバイヤー。
「パリゴ」では、"最新鋭のモードと個性の表現をエイジレスに愉しむ"というコンセプトのもと、
複数のメンバーがチームとなって
バイイングを担当しています。
今回はその中から、ファッション専門誌
「WWD JAPAN」が企画した日本の最強バイヤー41人にも選ばれた
高垣道夫、高垣佳代子バイヤーにクリエーターとお客様を繋ぎ、
新しい価値を生み出すバイヤーの仕事、
そのプロセスや、大切にしていることを
伺いました。
国内外のクリエーターとの
繋がりから生まれるもの
私たちは、現在レディースとメンズ合わせて300ブランドとの関わりがあります。買い付けは、それぞれに役割を持つ複数のメンバーで担当しています。バイヤーは、海外に行くなど華やかな面がクローズアップされがちですが、廃棄ゼロが常識の私たちは、買い付けの前に、昨年の売上や消化率など、実績データの詳細な分析、トレンドの予測、販売計画、販売政策といったマーチャンダイジングなど、非常に綿密な準備をした上で、お客様に喜んでいただけるもの、売れるものしか買わない!という覚悟をもって買い付けに向かっています。
レディースではプレとメインのコレクションがあり、海外だけでも年間10回の買い付けに出かけます。国内のコレクションや展示会を加えるとかなりのクリエーターに会っています。買い付けを繰り返すうちに信頼が深まり、公私にわたる付き合いになり、思いもしなかった人生観の広がりに繋がるということもあります。たとえば、今取り組んでいるデニム産地の価値を世界に発信する「JAPAN DENIM」の企画では、これまでの信頼関係から積極的に参画してもらえるクリエーターに恵まれました。バイヤー冥利に尽きる誇らしい出来事です。
クリエーターの想いまでも
伝えることが、仕事
「パリゴ」発足当時(30年前)は、ブランドや取引先を探すにも手段が無く、電話をかけても、尾道市での取り組みは断られることも多く、立ち上げ当初は大変でした。駆け出しのクリエーターたちは資金がなく、展示会の場所探しにも苦労をしていますが、応援しているデザイナーが、日本を代表するクリエーターになったり、海外のコレクションに出るようになったりするプロセスを見ることができるのはバイヤーの醍醐味のひとつです。
私たちバイヤーは直接お客様に接する機会がない為、買い付けてきた商品の魅力やクリエーターが込めた想い、人柄など、服を見ただけではわからないクリエーションの深さや素敵な着こなし方も含めて、お客様との接点となるファッションアドバイザーに伝えることをとても大切にしています。月に1回の全体会議で店長にリリースすることはもちろん、販売に携わる全スタッフが見られるように配信もして、徹底しています。
「パリゴ」でバイヤーを
目指すあなたへ
バイヤーを目指すなら“たくさんの買物体験をしてほしい”と思っています。たくさんの店を見て、試着をする、実際に触ったり、使ってみる。見た目だけではわからない着心地やサイズ感、機能性など、体験で得られる情報が力になるからです。
もうひとつは“引き出しを増やしてほしい”ということです。自分はフェミニンテイストが好きだとしても、モードにも目を向けてみる。多くのテイストの服を理解することで、新しい扉を開き、新しい提案ができる。お客様に新しい歓びを感じていただくことにも繋がるからです。そして、数字を知ることも大切です。何が売れているか、売れている=お客様が求めているものということです。これらを意識するだけで、1年後のあなたはすごく洗練されて、人間的にも成長していると思います。